情報番号7006小児外科から見た乳幼児の病気


医療法人社団 札幌外科記念病院
篠原 義文先生


Q; こちらでは、小児科では扱わない乳幼児期の病気について、
札幌外科記念病院/小児外科/篠原義文先生にお話を伺います。
先生・・、よろしくおねがいします。



A; はい・・。普通、子供の病気と言えば、すぐに小児科を思い浮かべますが、小児科というのは子供の内科に相当するもので、現実には、ほかの診療科の扱いになる病気がたくさんあります。ここでは、普段馴染みがない小児外科という診療科で診る子供の病気を話してみたいと思います。

小児外科では、15才以下の子供を対象に、主に消化器や体の表面に現れる病気を扱うのですが、まず乳幼児期までにみられる消化器系の病気をお話しましょう。

生後1ヶ月を過ぎても、黄疸が取れない場合は、乳児肝炎や胆道閉鎖症という病気が疑われます。 そして、乳幼児期によく見られる腸重積症という病気は、小腸が大腸に入り込んでいく病気で、手当が遅れると生命に関わるものです。 この病気は、子供が突然不機嫌になり、吐いたり、便に粘血が混じるのが特徴で、初期の頃なら高圧浣腸の処置で良くなります。

新生児期の赤ちゃんが、ミルクを噴水のように吐くようなときは、胃の出口が狭くなっているために飲んだものが通りにくくなって起こります。 赤ちゃんの成長に関係しますので、早く治療しなければなりません。赤ちゃんはよく飲んだものを吐きますが、ミルクの飲みが悪く、時々黄色や緑色のミルクを吐くような場合は、消化器系の病気を疑って下さい。 また、便秘がちで、おなかが膨らんでいるような場合は、生まれつき結腸が太いため、 そこに糞便が停滞する先天性巨大結腸症という病気が考えられます。 乳幼児期の便秘は、 消化器系の重大な病気が隠れていたり、他の病気を誘発する事がありますので、 親が安易に浣腸で済ましてしまうのはよくありません。必ず、専門医に相談するようにして下さい。



Q; 体の表面に現れる病気についてお聞かせ下さい・・。



A; 体の表面に現れる病気には、鼠径ヘルニアや、臍ヘルニア、血管腫やリンパ管腫などがあり、経過観察後、症状によっては手術をすることがあります。

例えば、臍ヘルニアは1才位までに自然と良くなることが多いのですが、1才を過ぎても良くならない場合には手術をした方がよいでしょう。鼠径ヘルニアも、元に戻りづらくなったり、次第に大きくなってくるようであれば 早めの治療が必要ですし、1才を過ぎても良くならない場合は手術が必要です。

また、赤アザなどと言われている血管腫は、5才から6才頃までに消えるものもありますが、中には血が固まってしまうものや、骨の発育に影響を与えたり、マヒなどの神経症状を伴ったりするものもありますので、専門的な検査が必要になります。赤アザが大きい、頭部や顔面にある、手足のかなり広い範囲に発生している、というような場合は早めに診察を受けましょう。



Q; そのほかに気を付けることはありますか?



A; おなかの腫瘤には特に気を付けて貰いたいと思います。空腹時でもお腹が膨らんでいて、シコリを感じる場合は、すぐに専門医に診てもらって下さい。神経芽細胞腫とかウイルムス腫瘍など、悪性腫瘍の可能性があります。

乳幼児は自分の口で体の変調をうまく伝えることができません。普段から一緒にお風呂に入るなど、スキンシップを取れば、重大な病気の早期発見・早期治療につながるのではないでしょうか。



Q; ありがとうございました。

お話は、札幌外科記念病院/小児外科/篠原義文先生でした。




 BACK



*当サイトに含まれるすべてのコンテンツの無断転載・複写等を禁ず。
  また、当サイトへの無断リンクを禁ず。