情報番号7023腎臓と腹膜透析


医療法人社団豊生会東苗穂病院
副院長 吉 田 祐 一 先生


Q; こちらでは、腎臓病と腹膜透析について、東苗穂病院/副院長/吉田祐一先生にお話をお伺いいたします。
先生・・、宜しくお願いいたします。



A; はい・・。それでは、先ず、腎臓についてからお話ししましょう。 腎臓は腰のあたりに左右2個あります。大人の拳より少し小さめで、空まめのような形をしています。腎臓は、尿を作って老廃物などを体外に出したり、電解質のバランスを保ち、血圧の調整をするなど、生命を維持するためにとても重要な働きをしています。

透析というのは、腎臓の機能が10%位までに低下した、いわゆる腎不全の患者さんに行う治療法の一つで、腎臓の働きを人工腎臓などで補ってあげることです。そして、この透析方法には、血液透析と腹膜透析というのがあります。

血液透析というのは、血液をいったん体外に取り出して専用の器械に通し、血液をきれいにして再び体内に戻すというやり方で、医療施設で専門のスタッフによって行われます。

一方、腹膜透析は、患者さん自身の腹膜を利用し、体内で血液を浄化する方法で、自宅や外出先でも自分で透析をすることができます。日本では、透析を受けている方が21万人位いるのですが、ほとんどの方は血液透析で、腹膜透析はその5%位ではないでしょうか。



Q; 腹膜透析はどのようにして行うのですか?



A; 腹膜透析を行うには、透析液を出し入れするカテーテルを腹腔内に留置することが必要になります。このカテーテルから、老廃物などを除去するための透析液を腹腔内に入れ、一定の時間が経過したら、老廃物などを含んだ透析液を外に排出し、また新しい透析液を注入します。このことをバッグ交換といって、普通は1日に4回、交換時間は1回あたり約30分くらいで、子供でも簡単にできます。病院へは、特に異常がなければ月に2回程度の通院で大丈夫です。



Q; お年寄りの方など、バッグ交換をうまくできない方には、この透析方法は向かないのでしょうか?



A; その様な方は、APDという透析方法を試されてはいかがでしょうか。これは、自動腹膜透析というもので、家庭で自動的に透析を行う方法です。1回あたり8〜9時間くらいかかりますが、バッグ交換を最小限に抑えることができますので、お手伝いする家族の方などの時間的拘束が緩和されます。

例えば、夜、就寝前に、透析液のバッグと回路を器械にセットすると、寝ている間に透析が行われ、翌朝には完了しているという具合です。



Q; 先生、それでは、腹膜透析の有利な点をまとめていただけますか・・?



A; はい・・。 まず、時間的な拘束が血液透析に比べて格段に少ないということでしょう。 血液透析の場合は病院へ週に3回ほど通わなければなりませんが、腹膜透析は生活リズムに合わせて、自宅や外出先でも透析ができます。そして、腹膜透析は毎日連続した透析を行う方法なので、生体腎に近く、体への負担も少ないのです。

血液透析は、水分や果物など、食事制限が多くなりますが、腹膜透析の場合は、食べ過ぎはいけませんが、食事制限が比較的緩やかなのも有利な点でしょう。

また、高血圧や心臓病、脳血管障害などの合併症がある場合でも、腹膜透析は血液を体外循環しないので、血圧の管理が容易であると共に、心臓や血管系に対する影響が少なく、血糖コントロールも可能になります。

でも、大変なこともあります。それは難しいことではないのですが、カテーテルの周りの消毒や、決められた操作などの自己管理が必要になることです。いずれにしても、透析に関わる時間的な制約が少ないということは、学校生活や社会生活を送る上で、大きなメリットになるのではないでしょうか。



Q; ありがとうございました。 腹膜透析を選択する場合は、実績のある専門医にご相談してはいかがでしょうか。
お話は、東苗穂病院/副院長/吉田祐一先生でした。




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